熱海
伊豆半島の東側付け根に位置し、相模灘に面する。市域内はほとんどが丘陵であり、別荘地や住宅なども高台の上に立つ所が多く、道路も勾配の急な坂が多い。海岸線もすぐに丘となる所がほとんどだが、中心部は埋め立てで砂浜海岸などが形成されている。
熱海は歴史的にも古い温泉であり、およそ1500年前の仁賢天皇の時代、海中から熱湯が噴き出し、魚が爛れ死ぬのを近郷の者が発見、以来「熱い海」であることから、熱海と名付けられたとされる。また、天平宝字の頃に箱根権現の万巻上人が、この「熱い海」のために不漁に苦しむ漁民たちを救済すべく、祈願により源泉を海中から現在の山里に移したという伝説も残されている。 江戸時代には徳川家康が来湯し、以来徳川家御用達の名湯として名を馳せ、家光以降に、熱海の湯を江戸城に献上させる「御汲湯」を行わせた。 明治以降は文人墨客が多く訪れ、また多くの作品がこの地を舞台に描かれた。代表的なものは、尾崎紅葉の「金色夜叉」であり、一躍熱海を全国区のものにした。他に、永井荷風の「冬の日」、林芙美子の「うず潮」などである。 昭和30年代は、新婚旅行のメッカで、白いドレスに白のスーツケースを持ったそれと分かるカップルで賑わった。高度経済成長期、団体旅行を誘致するようになり、その客目当てのストリップ劇場や風俗店が増え、イメージが低下して家族客の客離れが進んだ。バブル経済以降は団体客は減り、以前ほどの集客は望めず、休館している旅館が目立ち、それによって町が寂れた印象を与え、更に客離れが進むという悪循環に陥った。温泉ブームに乗って個人客は徐々に増えつつあるが、目の肥えた客を繋ぎ止めるためには旅館・ホテル側も相当の企業努力が求められる現状にある。 2008年以降はガソリン高騰、都心からの交通網の豊富さ、猛暑に伴い手頃な温泉地、リゾートとして再び脚光を浴びるようになっている。
かつて熱海温泉が日本を代表する歓楽温泉として栄華を誇ったことから、歓楽街として発展した一部の温泉を「○○の熱海」と宣伝していたことがある。
これらの温泉街も熱海温泉と同様に、バブル経済の崩壊、レジャーの多様化などの事情により客離れが進み、現状の温泉街を評して「かつて『○○の熱海』と呼ばれた××温泉は……」との文脈で語られる例も見られるようになった。
その一方で、山陰の熱海を名乗る皆生温泉のように、否定的、消極的な意味を伴わず、普通に宣伝文句として用いている例もある。
別荘
別荘(べっそう、英語:cottage、villa、ラテン語:vīlla)とは、普段生活している家とは別に、避暑・避寒・休養などの目的で気候や風景のよい土地、温泉地などに作られた一戸建ての家。
現代日本語の場合、集合住宅の形をとる別荘をリゾートマンションと呼ぶ。
日本では古くは別業(べつぎょう)とも呼ばれ、天皇や貴族の邸宅を都の郊外の風光明媚な地に別業(天皇の場合は離宮)を置く例があった。平安京(京都)では、嵯峨・白河・鳥羽・宇治周辺などが有名であった。そのほとんどは現在失われてしまったが、平等院や大覚寺のように別業・離宮の一部に由来する寺院が存在している。
現在では軽井沢・蓼科・那須・清里周辺などの別荘地が有名である。
バブル景気の際に、本来の利用目的ではなく、投資・投機目的をうたって各地で開発・分譲されたものの、バブル崩壊とともに売却されたり、放置されて廃屋となったりしている物件も見られる。
最近では、所有する別荘同士を交換し海外の高級別荘へのロングステイを楽しむ、といったホームエクスチェンジの様な新たな別荘活用法を模索する所有者も、増えてきている。
賃借権の対抗力
賃貸人が賃貸借の目的物を譲渡した場合、賃借人は(後述の対抗要件を有しない限り)新所有者に対して賃借権を対抗できない。したがって、新所有者が賃借権を承認しないときは、賃貸借契約は終了する。これがローマ法以来「売買は賃貸借を破る」の法格言によって表されてきた原則である。
不動産賃借権の対抗力
抵当権者の同意の登記がある場合は、抵当権者に対抗できる(387条)。 目的物が不動産である場合には、賃借権設定登記することで新所有者に対しても賃借権の存在を対抗でき、継続して賃借することができる(605条)。しかし、賃借権が登記されている土地や建物には、買い手がつかない場合もある。よって、通常の貸主は、賃借権の登記に対して消極的である。そして、賃借人にはその登記を請求する権利がないという裁判例があり、学説の主流もこれに賛成したため、賃借権を登記することで新所有者に対抗することは、事実上困難であった。 そこで、建物の保護に関する法律や借地法、借家法が制定され、もっと容易に賃借権を新所有者に対抗できるような制度が整備された。その後、これらの規定は借地借家法第10条(借地権の対抗力等)、第31条(建物賃貸借の対抗力等)に吸収されている。 なお、賃借権を新所有者にも対抗できる場合、敷金返還債務も新所有者が引き継ぐとした裁判例がある。このため、このことを逆手にとって、強制執行を妨害することが企てられる場合もある。つまり、所有している不動産について差押えを受けそうになった者が、第三者と通謀して、賃貸人にとって非常に不利な賃貸借契約を結んでしまう。具体的には、極めて高額の敷金を差し入れ、極めて低額の賃料を設定し、長期間の賃貸借契約を締結したように仮装するのである。すると、たとえ差押えがされてその不動産が競売に付されて落札されたとしても、もれなくその非常に不利な賃貸借契約が付随してくることになるため、その不動産の買受申出を躊躇させることが期待できるのである。もっとも、このような濫用的賃貸借は、民事執行法の改正や判例の努力等により、現在では少なくなった。